積立投資にするべきか一括投資にするべきか

「手元に●万円あるんだけど、どうやって資産運用したらいいんだろう?積立投資で時間分散するべきかなあ?」と聞かれたときは、「手元のお金はとりあえず投資をして、毎月の給料から積立投資でもしたらいい」と答えています。もちろん根本的なドルコスト平均法の効用からすれば手元の●万円を積立投資で何回かのドルコスト平均法での買付けを行いつつ、毎月のキャッシュ・フローをさらに上乗せする形で積立投資を行うのも同様に選択肢だと思います。ここで大事なことは、積立投資の効用についてです。時間分散によるリスク低減と説明されることがありますが、低減するリスクとは一体なんなのでしょうか?これについて極めて明確に回答している例はあまり見たことがありません。見たことがあっても大半は微妙な感じも致します。長期継続的な積立投資の最大の効用は、毎月のキャッシュ・フローから自動的に最短距離で資産運用へ資本投下をし続けることができる、ということに尽きます。もっと簡単に言えばどんなに忙しくても、どんなにものぐさでも一度自動積立を設定しておけばあとはコツコツと将来に向かって貴方のお金を増やすべく投資をしてくれるしかも貴方のお給料に見合った金額で。という大半のサラリーマンの生活環境にとてもマッチしたサービスである、というだけのことです。投資とは、根本的には何らかの経済活動に加担することです。誰かが商売をしたくて、誰かのカネを求める。貴方はこのときカネの出し手になるわけです。そして1年借りるなら1年分の、5年借りるなら5年分の利子なり株主配当なりを当然求める事になります。見返りを求めずにカネを出している人はただの馬鹿かそうとうのお人好しです。投下した資本に投下した時間分を掛けたリスクプレミアムを期待するであれば、貴方が1千万持っているとしたら、ツベコベ言わずにさっさとポートフォリオを一発で組むか、まあ長くても12回一年程度にわけてドルコスト平均法で買っていくという程度にしておくべきなのです。それ以上の時間をかけて時間分散を図ると時間分のリスクプレミアムを消失しかねません。そう、長期継続的な積立投資にはドルコスト平均法の効用は存在しません。ドルコスト平均法はエントリータイミングの分散による取得価格の安定化がそもそもの考え方であり、長期継続的な積立投資のにおけるリスクの低減や収益の向上を謳ったものではないのです。1000マンを10年にわけて積立投資すると1000マンを一括投資したときと比べて投下資本が投資されている期間、要するに「お金が働いている期間」は半分になってしまいます。10年投資したつもりが実際は5年程度だった、ということになります。通常は投資期間がながければ長いほうがトータルの収益は高くなりやすいといえるでしょう。逆の観点から言えば積立投資は、「お金を貯めてから投資しよう」というごくごく一般的な発想を超越して「貯めながら、いや、貯めるために、投資したらええやんけ」という、より早いうちから投資をはじめるものと考えることもできます。そう、積立投資は少額づつながらも少しでも早い段階から投資を行い投資期間を少しでも長期化しようとする行為とも言えます。なんと素晴らしい仕組みなのでしょうか。まとめ長期継続的な積立投資は素晴らしい資産運用の方法だが、それ自体が収益性の向上をもたらしたりはしない(通常一括投資と比べて収益も損失も小さくなる傾向がある)そこそこの元手があるならさっさと投資をして、じっくりと資産成長を見守るべき。積立投資に回すお金はこれから産まれるキャッシュ・フローからコツコツ出せば良い。資産運用の必要性を理解した素晴らしい投資家が陥りやすい問題、それは投資するお金がそんなに無いこと。積立投資はその問題をいともたやすく解決してくれるのではないでしょうか。

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